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  • 「通訳エスコート育成研修」2期生 第3回研修を、鹿児島市で開催しました

    2026年9月15日、鹿児島市のカクイックス交流センター(かごしま県民交流センター)にて「通訳エスコート育成研修 二期生 第3回」を開催しました。

    第3回となる今回は、これまでの学びをさらに実践へとつなげるため、鹿児島を舞台に、自己紹介、チームビルディング、旅程管理、バリアフリー、危機管理、ホスピタリティ、そして英語でのガイディングなど、より現場を意識した内容に取り組みました。

    通訳エスコート1期生2名による体験談、業務にどのように研修を生かしているかの体験も共有され、メンターとして素晴らしいサポートをしてくれました。

    「誰に向かって話すのか」を意識する1分間自己紹介

    午前の最初のセッションでは、これまで練習してきた英語での1分間自己紹介をアップデートしました。

    今回、特に意識したのは「その場でガイドするゲストに向かって話す」ということです。

    4つのグループに分かれ、一人ずつ自己紹介を行い、講師や一期生からフィードバックを受けました。「印象に残る言葉」「声の大きさや通り」「アイコンタクト」など、ゲストとの最初の接点である自己紹介を、より伝わるものにするための具体的なアドバイスがありました。

    また、鹿児島をテーマにしたチーム名づくりにも挑戦。チーム名を決めるだけでなく、「なぜその名前を選んだのか」を英語でストーリーとして発表しました。

    Lava、Dynamics、Crane、Karukanなど、鹿児島の火山、鶴、名物菓子など、それぞれのチームが地域の魅力から、それぞれのチームが発想を広げました。講師からは、単語の意味や発音だけでなく、ゲストがイメージしやすい順番で説明することや、最後に一言印象に残るメッセージを加えることなど、ガイディングにつながるアドバイスがありました。

    続いて、旅程管理の基礎、バリアフリー、危機管理についても学びました。

    通訳エスコートには、観光地の説明だけではなく、旅程を適切に管理し、さまざまな身体的・文化的・言語的なバリアに配慮しながら、ゲストの安全を守る役割があります。研修では、車椅子の種類、貸切バスでの利用方法、タクシーの種類について学んだほか、実際に心肺蘇生の胸骨圧迫やAEDの使用方法も体験しました。

    午後は、課題として取り組んできた九州通訳エスコートのロゴのアイディアについてグループワークを行った後、一期生の山本講師に迎え、ホスピタリティと接客マナーについて学びました。

    「おしゃれは自分のため、身だしなみは相手のため」

    服装や立ち居振る舞い、挨拶、話し方など、ゲストに安心感を与えるための基本を学び、実際に立ち上がってお辞儀や物の受け渡しも練習しました。

    また、「相手の立場に立った行動」「伝えるためには行動が必要」という考え方にも触れ、言葉だけではなく、表情や姿勢、声のトーンなど、非言語のコミュニケーションが与える印象の大きさを実践的に学ぶ機会となりました。

    WFTGAメソッド「一方的に話さない」ガイディングへ

    研修の後半は、WFTGAメソッドを取り入れた英語セッションです。

    講師からは、実際に海外で体験したガイドの例を紹介しながら、ガイド側が話したいことを一方的に伝えるのではなく、「ゲストが何を知りたいのか」「何に興味を持っているのか」を考えることの大切さが伝えられました。

    受講生は、鹿児島、佐賀、熊本、大分、福岡など、それぞれの地域の観光地を1分間で紹介。講師からの質問に答えながら、情報量を調整したり、ゲストが興味を持ちそうなポイントを考えたりする練習を行いました。

    さらに、写真を見て簡単な一文で説明し、その後ゲストからの質問に答える「KISS & How to Describe Things」のワークショップにも挑戦しました。神社のお参り、サムライ、自動販売機、麺をすする文化など、身近なテーマであっても、ゲストからはさまざまな質問が飛び出します。

    鹿児島の観光地についても、桜島、しろくま、指宿の砂蒸し、知覧茶などを題材に、「なぜ?」「どのくらい?」「いつできる?」「どんな味?」など、ゲストが実際に聞きそうな質問を想定して回答を考えました。

    知識を披露するのではなく、ゲストとのやり取りを楽しみながら、その人が知りたいことを一緒に見つけていく。

    第1回、第2回で学んできた「旅をともにつくる」という通訳エスコートの姿勢が、より具体的なガイディングの形へとつながってきました。

    次はいよいよ、熊本での実地研修へ

    今回の研修では、伝える力だけでなく、旅程を管理する力、安全を守る力、相手の立場に立って行動する力など、通訳エスコートに求められるさまざまな要素を総合的に学びました。

    次回の研修は、熊本城や水前寺成趣園などを公共交通機関で訪れ、実際に現地でガイドを行う実地研修を予定しています。

    これまで座学で身につけてきた知識や技術を、実際の観光地でどのように生かすことができるのか。

    二期生の学びは、いよいよ実際のフィールドへと進んでいきます。

  • 「通訳エスコート育成研修」2期生 第2回研修を、福岡市で開催しました

    「伝える」だけではない、心を動かす通訳エスコートを目指して―通訳エスコート2期生、第2回研修を開催しました

    2026年8月18日、福岡市の電気ビル共創館にて「通訳エスコート育成研修 二期生 第2回」を開催しました。九州観光機構が主催し、一般社団法人九州通訳・翻訳者・ガイド協会(K-iTG)が研修を実施する本事業には、15名の受講生が参加しました。

    第1回研修では、通訳エスコートの役割やプロとしての心構え、ホスピタリティ、多様なゲストへの対応、安全管理など、幅広いテーマについて学びました。第2回となる今回は、そこからさらに一歩進み、「知っていることを、ゲストにどう分かりやすく、魅力的に伝えるか」をテーマに、英語でのコミュニケーションやガイディングの実践に取り組みました。また、大分県で研修中に地震が発生したときの振り返りと共に、具体的な初期対応、ガイドが持ち歩いている緊急対応セットなど危機管理を取り上げました。

    「1分」で伝える、自分自身の魅力

    研修のスタートは、英語による1分間の自己紹介です。限られた時間の中で、自分がどんな人なのか、どんなことに情熱を持っているのかを伝えます。ここで求められるのは、単に英語を正しく話すことではありません。「この人なら安心して任せられる」「一緒に旅をしたら楽しそう」と、ゲストに感じてもらえることが大切です。

    講師からは、話すスピードや間の取り方、声の届け方、目線、マイクの使い方など、細かな部分までフィードバックが行われました。また、一般的な情報を並べるのではなく、自分自身の経験や地域とのつながりを盛り込むことで、より印象に残る「自分だけのストーリー」になることも学びました。

    一人ひとり異なる経験や個性を持つ受講生だからこそ、それぞれの「強み」をどうガイディングに生かすか。実践を通して考える時間となりました。

    KISS――短く、シンプルに、分かりやすく

    午後の英語セッションでは、「How to say No」「KISS & How to describe things」「How and why questions」など、実際のガイディングを想定したワークショップを行いました。

    特に繰り返し意識したのが、「KISS(Keep It Short & Simple)」という考え方です。

    ガイドは、知識が豊富であればあるほど、つい多くの情報を伝えたくなります。しかし、ゲストが求めているのは「情報の量」ではありません。

    例えば「畳とは何か」「鳥居とは何か」といった身近な日本文化について説明するときも、難しい言葉を重ねるのではなく、まずは一文でシンプルに伝える。相手が理解できているかを確認しながら、必要に応じて情報を加えていく。そんな「伝わる説明」の技術を学びました。

    「見えるもの」から、旅のストーリーをつくる

    さらに、柳川の川下り、南蔵院、長崎平和記念像、高千穂など、九州の観光地を題材に、「How to describe things(物事をどう説明するか)」についてグループワークを行いました。

    ここで大切にされたのは、いきなり歴史や難しい背景を説明するのではなく、まず目の前にあるものを具体的に描写すること。「どんな形をしているのか」「何色なのか」「どのくらいの大きさなのか」「周囲には何があるのか」。そうした「見えるもの」から説明することで、実際にはその場にいない人にも、目の前の風景をイメージしてもらうことができます。

    そして、そこから歴史や文化、地域ならではのストーリーへとつなげていく。

    これこそが、単なる「観光情報の説明」とは異なる、通訳エスコートならではのガイディングです。

    研修後半では、大分県・宮崎県の観光地について、受講生一人ひとりがプレゼンテーションを行いました。温泉、竹細工、高千穂、神楽、鍾乳洞、高崎山など、それぞれが異なる切り口から九州の魅力を紹介しました。

    また、九州7県の人口や地理、観光資源についても学びました。例えば「大きい」「小さい」「高い」「安い」といった主観的、感覚的な表現ではなく、具体的な数字や他の国・地域との比較を使うことで、ゲストが規模をイメージしやすくなります。九州を訪れるゲストにとっては、県境よりも「どんな場所で、何ができるのか」が重要です。自分の得意な地域だけではなく、「九州全体を案内できる視点」を持つこと。これも通訳エスコートに求められる大切な力です。

    九州と世界をつなぐ「人」になるために

    今回の研修を通して改めて見えてきたのは、通訳エスコートに必要なのは、語学力や観光知識だけではないということです。

    ゲストの反応を見ながら情報を選び、分かりやすく伝え、ときには「No」と伝えながら安全な代替案を提案する。そして、その土地にしかない魅力を、自分自身の言葉でストーリーとして届ける。

    「説明する人」から「旅をともにつくる人」へ。

    第1回研修でスタートした二期生の学びは、第2回でさらに実践的な段階へと進みました。次回は、ホスピタリティやマナー、危機管理、バリアフリーなど、さらに現場に近いテーマへと学びを深めていく予定です。

    九州の魅力を見つけ、磨き、世界から訪れるゲスト一人ひとりに合わせて届ける。

    九州と世界をつなぐ、新しい旅の担い手たち。

    二期生のこれからの成長に、ぜひご注目ください。

  • 「通訳エスコート育成研修」2期生 第1回研修を開催しました

    2026年7月28日、大分市にて「通訳エスコート育成研修 二期生 第1回」を開催しました。九州観光機構が主催し、一般社団法人九州通訳・翻訳者・ガイド協会(K-iTG)が研修を実施する本事業には、九州各地から選抜された16名が参加しました。九州の豊かな観光資源を世界へ届けるために必要なのは、地域の知識や外国語のスキルだけではありません。旅行者一人ひとりの希望をくみ取り、その土地ならではの価値を見つけ、安全に旅を楽しんでもらい、心に残る時間をつくる―。

    そんな「指名されるガイド」を目指して、二期生の学びがスタートしました。

    研修の冒頭では、九州観光機構から本事業の背景と目指す方向について説明がありました。

    世界の旅行者のニーズは、単に有名な観光地を訪れることから、「本物の体験」「地域らしさ」「人との出会い」を求める方向へと変化しています。九州には、火山、海、山などの雄大な自然、新鮮な食、豊かな歴史や文化、そして地域で暮らす人々の温かさがあります。これらの「素材」に「人」の力を掛け合わせることで、観光はさらに大きな価値を生み出します。その役割を担うのが「通訳エスコート」です。

    旅行会社から与えられた旅程を案内するだけではなく、自ら地域の魅力を発見し、旅をつくり、提案し、調整する。そして、ゲストとの出会いを通じて、その旅をより豊かなものにしていく。本研修では、こうした主体的な姿勢を持つプロフェッショナルの育成を目指しています。

    世界基準の「ガイド」を目指して

    K-iTGのオリエンテーションでは、通訳エスコートに求められる役割やプロとしての心構えについて学びました。日本のガイドは、豊富な知識と丁寧な準備、正確な説明に優れています。一方で、世界のガイドスタンダードを見据えたときには、さらにゲストとの双方向のコミュニケーションや、その場に応じた柔軟な対応力が求められます。一方的に説明するのではなく、ゲストの表情や反応を見ながら会話をつくる。予想外の質問にも、その場で考えて対応する。ガイド自身も楽しみながら、ゲストと一緒に旅をつくっていく。そうした「人と人とのコミュニケーション」こそが、地域の魅力を伝える大きな力になります。

    また、プロとして信頼されるためには、語学力や観光知識だけでなく、迅速なレスポンス、期限の厳守、適切な報告、正確な経費精算など、日々の仕事に対する誠実な姿勢も欠かせません。

    「1分」で心をつかむ。実践から学ぶ伝える力

    午後は、自己紹介とプレゼンテーションスキルを中心とした実践的な研修を行いました。受講生は、日本語と英語でそれぞれ1分間の自己紹介に挑戦。限られた時間で自分自身を知ってもらい、相手の興味を引くためには、「何を伝えるか」と同時に「何を伝えないか」も重要です。英語での自己紹介では、外国人には伝わりにくい固有名詞をできるだけ控え、身振りや表情も活用しながら、明るく分かりやすく伝える工夫を実践しました。

    講師から紹介されたのは、「KISS(Keep it Short and Simple)」という考え方。短く、シンプルに。これは自己紹介だけでなく、ゲストへの観光案内にも通じる大切なコミュニケーションの基本です。

    「九州全体」を案内できるガイドへ

    九州は、7県それぞれに異なる魅力を持つ地域です。福岡の都市観光や糸島、佐賀の有田、長崎の歴史と平和学習、大分の温泉や国東半島、熊本の阿蘇、鹿児島の地域文化等挙げればきりがありません。

    一人のガイドが担当する地域だけを知っていればよいわけではありません。ゲストの旅程の前後にどんな場所があり、どんな組み合わせができるのか。どの地域が、どの国や旅行者層に人気なのか。その土地ならではの体験には何があるのか。「自分の地域」から「九州全体」へ視野を広げることが、九州を一つの魅力的なデスティネーションとして発信することにつながります。

    近年は、少人数旅行、体験型旅行、アドベンチャーツーリズム、富裕層向け旅行、サステナブルツーリズムなど、旅行者のニーズも多様化しています。こうした変化に応えるためにも、地域の魅力を組み合わせ、ゲストに合わせて旅を提案できる力が重要になります。

    多様なゲストを迎えるために

    インバウンド観光では、旅行者の文化や宗教、食習慣、価値観の違いを理解することも欠かせません。研修では、ムスリム、ヴィーガン、ベジタリアン、ペスカタリアン、コーシャなど、さまざまな食習慣を紹介。日本では「九州の名物」「ぜひ食べてもらいたい料理」と思うものでも、ゲストによっては食べられない場合があります。特に食物アレルギーは生命に関わるため、正確な情報確認と細やかな配慮が必要です。

    また、文化やジェスチャー、コミュニケーションの方法も国や地域によって異なります。さらに、LGBTQ+を含む多様なゲストへの対応についても学びました。大切なのは、相手を特別扱いすることではなく、一人ひとりの違いを自然に受け止め、誰もが安心して旅行を楽しめる環境をつくること。これからの観光には、こうした「多様性への理解」も重要なガイドスキルの一つとなります。

    「説明する人」から「旅をともにつくる人」へ

    英語セッションでは、外国人旅行者へのホスピタリティや接客英語についても実践的に学びました。ガイドは、知識を一方的に伝える「先生」ではありません。「何を見たいのか」「何に興味を持っているのか」「今、どんなことを感じているのか」ゲストとの会話を通じて、その人に合った旅をつくっていくことが求められます。そのためには、相手の言葉に耳を傾け、分かりやすく伝え、必要なときには適切な質問をするコミュニケーション力が欠かせません。そして、楽しい旅を提供することと同じくらい重要なのが「安全」です。

    バスでのシートベルト着用、徒歩での交通安全、混雑した場所での迷子や忘れ物への注意など、ガイドには旅を最後まで安全に終える責任があります。

    研修中に発生した地震――安全を守ることも、ガイドの使命

    今回の研修では、九州の魅力に関するプレゼンテーションを目前にした16時28分頃、地震が発生しました。大分市では震度4を観測。受講生、講師、スタッフは揺れが収まるまで机の下に入るなどして身の安全を確保。その後、家族への連絡や交通機関の状況確認を行いました。

    K-iTGからは、ドアを開ける、通信がつながりにくくなる前に家族へ連絡する、スマートフォンを充電しておくなど、具体的な初動対応が速やかに示されました。九州観光機構からも交通機関の状況などが共有され、受講生が安全に帰宅できるよう、会場での待機を含めた対応を行いました。予定されていた懇親会は中止となりましたが、参加者それぞれの帰宅方法や交通状況を確認。翌日まで待機してから帰宅する受講生もいるなど、安全を最優先にした判断が取られました。予期せぬ災害や交通機関の乱れは、旅行中にも起こり得ます。そのとき、ゲストの安全を第一に考え、正確な情報を集め、冷静に判断し、必要な行動を取る。今回の地震は、通訳エスコートにとって「安全管理」がいかに重要であるかを、参加者自身が実感する機会となりました。

    九州を、世界が憧れるデスティネーションへ

    今回の第1回研修では、観光知識や語学力だけではなく、コミュニケーション、ホスピタリティ、多様性への理解、旅程管理、安全管理、そして自ら考えて行動する力について幅広く学びました。九州には、世界にまだ十分に知られていない魅力が数多くあります。その魅力を見つけ、磨き、ゲスト一人ひとりに合わせたストーリーとして届ける。そして、地域と世界をつなぐ。それが、私たちが目指す「通訳エスコート」です。

    「九州を世界が憧れるデスティネーションに」。

    その実現に向けて、二期生16名の新たな挑戦が始まりました。これからの研修を通して、それぞれが地域の魅力と自身の専門性をさらに磨き、九州の観光をリードする人材へと成長していきます。

    九州と世界をつなぐ、新しい旅の担い手たち。

    今後の二期生の成長と活躍に、ぜひご注目ください。